2015年9月16日水曜日

韓国人の知人との英語教育談義

この前韓国から来た知人とゆっくり話す機会があった。話題は自然と子どもの教育のことに(笑)

彼が心配しているのは、韓国の大学進学率の高さと大卒での就職の難しさ。

韓国で大学進学率は70%だと言う(最近は少し下がってきて、65%ぐらい)。一方で、社会では大卒に対するニーズがさほど大きくないために就職時にミスマッチが起こり、卒業生の就職先がなかなか見つからないそうだ。

日本では少子化と大学の定員増のコンボで「全入時代」などと言われるが、似たような問題は生じている。

この問題に絡んで話題になったのが、英語教育について。

韓国では英語教育が非常に盛んだ、というのは良く言われる話だが、彼の意見としては、ちょっとやりすぎではないか、ということだった。

そもそも社会に出てから英語を使う仕事などさほど多くないのだから、そんなにしゃかりきになってやらなくてもいいのでは、という。

大人になってから必要に応じて勉強すれば、喋れるようになるし、それでいいのでは、と。

一方で、彼自身は海外滞在経験がある。学生時代、数年間をアメリカで過ごしているし、お子さんが小学生低学年のときも家族でアメリカに1年ほど暮らしており、そのときお子さんが身につけた英語力は大学受験を迎えた今、役に立っているそうだ。

彼の意見はもっともなもので(そういう意味では以前紹介したトンデモ本の結論の一部も)、国の教育制度を考えた際には、現在のように中高で教科として英語をやり、大学入試で課すぐらいで良いのであり、社会全体としては英語を重視しすぎているという考え方だ。

韓国でも同じだと思うが、本来英語という科目は、外国語を身につける素養(記憶力、理解力、集中力)と、コツコツ真面目に勉強する性質をどれだけ備えているのかを調べるためには非常に適していて、さらには文系でも理系でも大学での学問では多くの場合に役立つからこそ、重視されてきた。

就職試験においても、もし英語力を考慮するのであれば、それは英語そのものが仕事で役に立つというよりも(確実に役に立つ場面はあるが)、学生時代に英語をしっかり勉強するような人間であれば、就職してからも真面目に働いて新しいことを学んでくれるだろう、という期待があるのではないかと思う。

その視点からいえば、英語の重要性が1人歩きしてしまって、必要以上に人々が英語ばかり勉強する韓国の現状はあまり望ましくないのかもしれない。



一方で、親としては、将来子どもが就くであろう仕事を考えた場合、英語が必要な仕事に就いた場合でも大丈夫なように準備してやりたい。そして、多くの場合、英語が必要な仕事の方がそうでない仕事よりも待遇が良い(雑誌で英検1級保持者の年収が高いという結果がでたのを思い出す)。

他の科目などに影響が出るようではよろしくないが、うまく英語もその他の学業も伸ばしてやれるのであれば、それに越したことはない。

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